時代に合わせて変化している看護師の制服
ここでは、看護師の制服について紹介していきます。看護師の制服は歴史があり、時代ごとにマイナーチェンジを繰り返してきました。看護師の制服と言えば「ナースキャップ」が印象的だと言う人も多いかもしれませんが、今ではほとんどの病院で廃止されています。それにはどういった背景があるのか等、詳しくみていきましょう。
看護師の制服の歴史
一般的に看護師と言うと、どのような姿を想像するでしょうか。多くの人がイメージする姿としては、「白いワンピースにナースキャップを被った姿」かもしれません。少し前までは確かにこのような姿が一般的でしたが、今の看護師は少し違います。白に限らずピンクやブルーの制服が増えていますし、ワンピースではなくパンツスタイルが多くなっています。
この白いワンピースにナースキャップという姿に近い形は明治時代からあります。明治時代は黒色or白色の丈の長いツーピースの制服でした。その後白色が主流となり、昭和になると丈が長すぎて不潔であるという理由からひざ下丈になり、よくイメージされる白のワンピースとほぼ変わらない形になりました。
ナースキャップの廃止
最近ではほとんどの病院で廃止されているナースキャップですが、廃止された理由にはどのようなものがあるのでしょうか。まずは、「衛生面」の問題です。ナースキャップは毎日洗う物ではありませんが、業務中にかく汗やホコリが付きます。さらに、ナースキャップは細菌やウイルスが繁殖する可能性があります。ナースキャップは形を保つためにのりで固められているのですが、のりに細菌やウイルスが付着し、繁殖する可能性があるのです。院内感染を引き起こしてしまう可能性もあるため、廃止する病院が増えました。また、業務の邪魔になる事が多いのも理由の1つです。
ナースキャップが廃止されて寂しく思う人もいるかもしれませんが、患者の健康を第一に考えたうえでの事ですので、むしろ今の方が本来の意味における「白衣の天使」の姿に近いといえるでしょう。
ナースキャップに憧れた世代には、少し寂しいことですが、戴帽式でナイチンゲールに誓った自覚や誇り、意識はナースキャップがなくても制服が変わっても、変わらないのではないでしょうか。
ナースときどき女子より引用
パンツスタイルの増加
ワンピースが減ってパンツスタイルが増えた理由はいくつかあります。まず1つは「機能性」です。スカートだとめくれると下着が見えてしまうので、それを気にしながら業務を行う必要があり、面倒が多いためです。その点パンツスタイルであればその心配はなく、機能性が高いと言えます。2つめが「セクハラ防止」です。中にはセクハラをしてくる患者さんもいて、スカートの場合はそのような人に対して余計な興奮を与える可能性があるので、パンツスタイルが増えました。
また、その他にもパンツスタイルに移行している理由として挙げられるのは、男女差別を無くすためというのもあります。現在は「看護婦」ではなく「看護師」呼ぶように、男性も活躍する機会が増えたためです。ストッキングをはく手間を省けるという利点もあります。はくのに手間がかかりますし、業務中は動きまわり伝線もしやすいので、パンツスタイルの方が良いのです。