トレンドを意識したバスガイドの制服
女性特有の制服を着る仕事と言えば、バスガイドです。時代ごとのトレンドを意識したバスガイドの制服の歴史を、代表的なバスツアー会社「はとバス」の制服を例にして、歴史の古い順から紹介していきます。
1960年代
まずは1960年代前半、濃紺のジャケットに白い襟カバーが特徴的な落ち着いたデザインの制服からその歴史はスタートしました。そして1960年代後半になると、前述の制服をベースに当時流行っていたミニスカートを取り入れた制服へと変更されます。この時のデザインは森英恵さんが担当しました。
1970年代
1970年代前半になると、ガラッとイメージが変わります。青を基調にした制服は明るさが強調され、赤色と黄色の千鳥模様のスカーフで全体的に華やかな雰囲気になりました。ミニスカートも継続して採用されており、昔のキャビンアテンダントに近い雰囲気もあります。
1970年代中ごろになると、今度はオレンジ色を基調にしたデザインへと変更されます。形状的にはオーソドックスなものですが、襟の部分が大きく開いており、これは当時流行っていたファッションを取り入れたものとなっています。「ニュートラ(ニュートラディショナル)」「ハマトラ(横浜トラディショナル)」といった言葉が流行っていた時期ですね。
1970年代後半には、カーキグリーンを基調にしたものが登場しました。バスガイドの制服の中でも珍しい、パンタロンタイプが採用されたものになります。
1980年代~90年代初頭
そして1980年代になり、はとバスのイメージカラーとして有名な黄色の制服が採用されます。ほとんど黄色一色の中に黒いベルトを取り入れる事で、引き締まった雰囲気もあります。スカートは長い丈のものに戻り、色は明るいながら大人な雰囲気もあります。
その後はこの黄色い制服がメインになるかと思いきや、その後も年代が進むごとに別の色の制服へとモデルチェンジしていきます。黄色の制服の後はローズカラーの制服になりました。そして1990年代初頭にはモスグリーンを基調としたエレガントな雰囲気の制服へと変更されます。
1990年代
1990年代前半になり、再び黄色の制服に変更されました。今までのロングスカートではなく、若干短く、タイトなものになりました。働く側の機能性や着心地に重点を置いたデザインと言えます。そしてこの頃から、バスガイドごとにスカーフの巻き方や色を自由に選べるようになり、個性を出す事も可能になりました。
1990年代後半は、スカートかキュロットどちらかをバスガイドが選べるようになりました。
トレンドを映し出す制服
以上、はとバスを例にしてバスガイドの制服の歴史を紹介しました。時代を映し出すバスガイドの制服は、今後もさまざまな変化を遂げながら、進化を続けていくことでしょう。時代ごとのトレンドにあわせてファッショナブルな雰囲気を身にまとう事ができるバスガイドは、女性にとって憧れの仕事ですね。